
ギターなどの楽器を始めてみると、そのうち自分でも作曲をしてみたいと考える方はきっと多いと思います。
しかし、初めて作曲をしてみる方からすると、いったい何から手を付けたら良いのかわからないという方もまた多いのではないかと思います。作曲理論のどんな部分を知っていればとりあえず作曲ができるのか、またメロディを考える際にはどんな方法でそれを考えるのが理想なのか…
特に、なんでも理論から考えてしまう方は、理論を学ばなければ良い曲、良いメロディは作れないのではないかと考えてしまうかもしれませんね。
しかし、私個人の考えとしては、別に作曲理論を知らなくても、誰もが好きになるようなメロディを作ることは全然可能だと思います。
それこそその人の「センス」が非常に大きく影響してくるところなのではないかと思いますが、作曲をすること、良いメロディを作ることには、作曲理論は必ずしも必要ではないんです。
しかし、そのメロディにギターのコードをつけて独特な雰囲気を出したり、それをさらにより良いものに編曲したいとなったときには、最低限の作曲理論は必要になってきます。作曲理論と言ってもそれ自体は非常に奥が深いものなので、ここですべてを説明することはできませんが、例えば、「キー」や「スケール」、そして「ダイアトニックコード」に関する知識は最低限持っておかないと、せっかくの良いメロディも生かしきれない曲になってしまうかもしれません。
もし、今挙げたようなワードの意味をよく理解していないという方は、是非この記事を読んでみてください。今回の記事では、作曲初心者の方のために、最低限知っておきたい作曲理論に関する情報をまとめていきたいと思います。
正しいメロディの作り方とは?メロディを作るのに作曲理論は必要?

まず、そもそもその曲の主体となるメロディっていったいどうやって作るんだろうというお話からしていきたいと思いますが、結論としては、そのメロディの作り方には絶対にこうやって作らなければならないという正解はありません。例えば、コード進行などを考えずに鼻歌からメロディを作ることは全然OKですし、先にコード進行を決めてしまって、後からそれに合ったメロディをつけていくのもOKです。
ただ、どちらかというと、先に感覚的にボーカルのメロディなどを作ってしまう方が名曲はできやすいなんてことも言われています。もちろん、コード進行から考えて作った曲の中にも名曲はたくさんあるとは思いますが、先に鼻歌などからメロディを作ってしまった方が、その人の感性がよりそのメロディの中に表れて、良い曲ができやすいのではないでしょうか。
例えば、皆さんも自分の好きな歌手っていると思うのですが、その歌手の曲は全てが全く違う曲というわけではなくて、良い意味で似通った部分があると思います。そのメロディや歌詞にその人の感性が表現されていて、そういった部分を好きになる方って多いと思うんですよ。でも、そういう部分て言うのは、先にコード進行という枠組みを決めてしまうと、少し表現が難しくなるのではないかと思います。コード進行を決めてしまうというのは、その主体となるボーカルのメロディの動きにある制限をかけてしまうということですからね。
私がまだコード進行から作曲する楽しさに出会えてないだけかもしれませんが、もし作曲初心者の方であるならば、初めは鼻歌などからメロディを作っていく方法をおすすめいたします。その方が自由に作曲ができている感じがしますしね。でも、もしそれが誰が聴いても良いメロディと思えるものであるならば、それはある制限の中で作られているメロディということもできるんです。
ちょっと意味が分からないと思いますので説明しますと、私たちが耳にして誰もが良いな~と思えるようなメロディは、間違いなくある制限の中で作られています。制限というと嫌な感じがしますが、逆にその制限をはみ出してしまうと、そのメロディを聴いたときに逆になんか変だなと違和感を感じてしまうのです。
これはどうしてなのかというと、私たちが良く耳にする曲というのもはどれもがその制限の中で作られているからなんですね。そしてその制限というのが、「キー」や「スケール」といったものです。では次に、そのキーやスケールについて詳しく説明していきたいと思います。
スケールって何?心地よいメロディを作るために必要な知識がこちら…

まず、もしあなたが鼻歌などから「あ、なんか今のメロディ良いかも!」というような感じで作曲をしていったとしても、それが他の人が聴いても良いと思えるようなものであるならば、間違いなくそれはスケールという理論の中に制限されたメロディになっているはずです。制限と聞くと嫌な感じがしますが、逆にその理論を守らないと、そのメロディは聴いても違和感しか感じないようなメロディになってしまうんです。
では、そのスケールとはいったい何なのかというと、これはある規則によって集められた1つの音の集団のことを言います。また、スケールという音の集団にも色々なものがあるのですが、私たちが普段耳にする曲の多くはメジャースケールというものに制限されるメロディとなっており、そしてそのメジャースケールとは、「全全半全全全半」という規則によって集められた音の集団のことを言います。
例えば、このメジャースケールの中で最も基本的なものと言えるのが、「ドレミファソラシド」なんです。これはそれぞれの音の間隔が「全全半全全全半」となっており、この「ドレミファソラシド」というメジャースケールのことを、一般的にはCメジャースケールと呼びます。【コードを知っている方ならわかると思いますが、「ドレミファソラシ」は英語でCDEFGABと書きます】
また、図で見ていただくと分かりやすいと思います。

では、このメジャースケールというものはいったいどんなものなのかと言うのを簡単に説明すると、例えばその曲がCメジャースケールにあてはまる曲であるならば、その曲は「ドレミファソラシ」という音以外の音は使わずにメロディが構成されているんです。逆に、そのメロディの中で「ド♯」とか「ソ♯」とかのスケールの中に無い音を使ってしまうと、それはメロディの中に違和感を生む原因になってしまいます。
ちなみに、このCメジャースケールは数あるうちの1つのメジャースケールに過ぎず、Dメジャースケール、Gメジャースケールなどもあり得ます。また、C♯メジャースケールなんてものもあります。例えば、Dメジャースケールというものは、図で表すと以下のようになります。

「ドレミファソラシド」というものは私たちにとって非常になじみ深いものですが、実はそれは数ある集団の1つにすぎないんですね。また、もしあなたがどんなメロディを作ったとしても、その大半は、こういったメジャースケールのどこかに属するものになってくるはずなんです。
では、それをいったいどうやって判断するのかというと、ここで重要になってくるのが「キー」という存在なんです。
「キー」とは簡単に言うとそのメロディの中で最も基本的な音と言えるものであり、別の良い方をすると、あるスケールの中で最も基本となる音ということができます。具体的にはCメジャースケールのキーは「C」であり、Dメジャースケールのキーは「D」なんです。
また、別のわかりやすい表現をすると、あるメロディの最初と最後の音がその「キー」の音になっていることが多いです。例えば、もしあなたが作ったメロディの出だしの音が「レ」である場合には、その曲の「キー」は「レ」であり、その曲はDメジャースケールにあてはまる曲である可能性が高いです。このように、その曲のキーとスケールを判断する最も簡単な方法は、その最初と最後の音がどの高さなのかというのを調べてみることです。(あるメロディの中で音が階段を上ったり下りたりするときに、最初に始まる音、最後に戻ってくる音がキーの高さというふうに覚えると分かりやすいかもしれません。)
さて、ではいったいどうしてその「キー」や「スケール」を理解しなくてはいけないのかというと、そのメロディのキーやスケールが分からないと、どんなコード(和音)なら違和感なくつけることができるのかということが分からないからなんですね。そして、そういったメロディに違和感なくつけられるコードの中で基本的な7つのものを一般的にダイアトニックコードと呼びます。では、そのダイアトニックコードとはどんなものなのか、ということについて次に詳しく説明していきたいと思います。
ダイアトニックコードとは?メロディに違和感なくつけられるのはどうして?

さて、では次にダイアトニックコードについて説明をしていきたいと思いますが、このダイアトニックコードとは、曲のスケールが決まっているときに、そのメロディに違和感なくつけることができる7つのコードのことを言います。
例えば、もしそのメロディがCメジャースケールにあてはまるものである場合、そのメロディに違和感なくつけられるダイアトニックコードは、「C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(♭5)」と定められています。では、どうしてこの7つのコードなら違和感なく使えるのかというと、察しが良い方ならわかるかもしれませんが、実は今挙げたようなコードは、どれもがCメジャースケールの中の音だけを使って構成されているからなんです。
具体的には、Cの構成音は「ド、ミ、ソ」、Dmの構成音は「レ、ファ、ラ」、Emの構成音は「ミ、ソ、シ」、Fの構成音は「ファ、ラ、ド」、Gの構成音は「ソ、シ、レ」、Amの構成音は「ラ、ド、ミ」、Bm(♭5)の構成音は「シ、レ、ファ」となっています。
これを譜面に表すと以下のようになります。

実際にメロディを作ってそこにコードをつけていく作業を行う際には、こういったダイアトニックコードを基本のコードとしてつけていくことになります。ただ、ダイアトニックコードだけではちょっと変わった雰囲気などを出すことは難しいため、こういったダイアトニックコードの理論を基本に置き、そこに色々なコードを混ぜながらコードをつけていくと、メロディに色々な雰囲気を持たせることができるようになります。
実際、メロディが完成した後に、こういったコードをつける作業をやってみると、とても奥が深くて楽しいです。また、コードの選択によって曲の雰囲気ががらっと変わることもあるので、皆さんももしメロディが完成したら、色々と試しながら自分の理想のコードをつけてみてください(^^)
また、ここでは長くなってしまいますので割愛しますが、このコード進行に関する理論は以下の記事で詳しくまとめています。気になる方は是非一度目を通してみてください。
まとめ

今回の記事では、作曲初心者の方にもわかりやすいように、作曲をするうえで最低限必要になる理論についていくつかご説明しました。
メロディを作る際には、キーやスケールといった理論の中で作るのが望ましいということと、そのメロディを生かすためには、ダイアトニックコードを基本として、そのメロディに合ったコードを選択するのが重要であるということを是非覚えておいてください。
また、今回はメジャースケールについて説明しましたが、スケールにはこのほかにもマイナースケールなども存在しています。これについて詳しくは以下の記事でまとめていますので、気になる方は一度ご覧になってみてください(^^)
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