皆さんこんにちは。篠宮ソウと申します。タイトルの通り、今回の記事では、「作曲理論って本当に必要なの?」「作曲理論とかとりあえず良いから、簡単に作曲ができる方法が知りたいんじゃ!」という方のために、記事を書いていきたいと思います。
作曲理論と一口に言ってみても、その中には非常に色々な理論がぶっつまっています。私も全部はよくわかりませんし、バンドとかでオリジナルの曲を作って演奏してみたいというレベルなら、全てを覚える必要は無いと思います。
じゃあ、全部は必要ないと言っても、ある程度はやはり必要なのかと言うと、実際は作曲理論を知らなくても、作曲自体はすることができます。例えば、作曲理論なんて全然知らないという状態でも、どんな曲でも良いから1曲作ってみてくださいと言われれば、1日あれば、Aメロ、Bメロ、サビくらいは作れますよね?
あ、このメロディー良いかもという感じで考えていけば、どんな方でもとりあえず何かしらの曲らしきものはできるはずです。この時、歌詞は決まっていなくても構いません。
このように、作曲は作曲理論を知らなくてもできます。作曲理論は必要ありません。と言ってしまうとこの記事が終わってしまうわけですが、ではなぜ作曲理論を知らないのに、私たちは作曲をすることができるのか。これってとても不思議なことじゃありませんか?作曲理論なんて勉強したこともないのに、オリジナルのメロディーが作れるなんて凄すぎますよね?
これは一体どうしてなのかというと、どんな方でも、それを言葉にできないだけで、作曲理論が実は頭の中にしみついているんですね。どんな方でも自分の好きな曲があると思うのですが、そういった曲は言わずもがな何かしらの作曲理論に基づいて作られているものなので、私たちは知らない間に、どのように音を繋げていけばメロディーが盛り上がるのか、または落ち着いていくのかというのが感覚的に分かっているわけです。それがどうしてなのか、というのを説明することができないだけなんですね。
なので、もしどんなクオリティーでも良いから作曲をしたいという話なら、作曲理論を説明できなくても、メロディーライン自体は考えることができます。しかし、もしその曲を、バンドで演奏したときに褒められるクオリティーにしたいとなった場合には、やはり作曲理論は多少必要になってくるのではないかと思います。
そこで今回の記事では、作曲をするうえで必要になる、最低限の作曲理論について解説していきたいと思います。
作曲をするために必要な作曲理論とは?

先ほど、作曲自体は、作曲理論をよく知らなくてもできるというお話をしました。私たちは知らない間に、色々な音楽に影響されて、それぞれにちょっと違った形で作曲理論が頭の中にしみついているわけです。
もしあなたがどこかの少数民族で、民族のみんなで楽しく歌える音楽を作りたいということならそれで良いわけですが、シンガーソングライターとして歌いたいとか、バンドの曲としてその曲をさらにかっこよくしたいという場合なら、やはり作曲理論は多少は必要になってきます。特に、シンガーソングライターのように、ギターなどの音だけでボーカルのメロディーを支える場合、コード理論もちょっとは知っておく必要がありますね。
つまり、作曲理論とは、曲をより良いものにアレンジするために必要になるわけです。どうせ作るなら、みんなになんかこの曲良いぞ!って思われるものが作りたいですよね。どんなにボーカルのメロディーが良くても、それに雰囲気を持たせる周りの音も非常に重要です。
作曲をするうえで重要な作曲理論のうち、最低限必要になってくるものとしては、以下のようなものが挙げられるのではないかと思います。
- コードとは何か?どのコードを使ったらよいのか?
- コード進行はどうやって考えるのか?
- その曲のキーとは?スケールとはいったいなんなのか?
おそらくこの記事をご覧になってくださっている方の中には、ギターならちょっと弾けるよという方も多いと思います。なので、コードとは何か、コード進行とはどのようなものなのか、ということは何となくわかるよという方もきっと多いはず。
しかし、曲のキーとか、スケールとかいう話になってくると、あ~めんどくせ!ってなる人もいるかも知れません。しかし、これは本当に難しい内容ではないので、是非この機会に覚えてしまいましょう。
コードっていったい何?どのコードを使ったら良いの?

ギターなどをやっている方にはおなじみの「コード」ですが、これはいくつかの音を組み合わせてできた和音のことを言います。
「ドレミファソラシド」のことを、英語では「CDEFGABC」と書きますが、このうち「C」のコードは、「ド、ミ、ソ」という3つの音を合わせたものになっています。
ギターなどを弾いたことが無い方からすると、これはちょっと意味わからんという話になるかもしれませんが、今お話している「C」のコードは、その構成音である「ド、ミ、ソ」のうち、「ド」の音がルート音と呼ばれ、そのルート音がそのままコードの表記にも使われ、つまり「C」と表記されます。つまり、「C」のコードはルート音が「ド」であり、「D」のコードはルート音が「レ」ということです。ルート音とは、根っこの音という意味ですね。
バンドでは、ギターボーカルがいる場合、大体そのボーカルはこのコードを弾いていますよね。コードをひくのとひかないのとでは、曲の印象はがらっと変わります。
ただ、実際はあるメロディーにあうコードをひく場合、「C、D、E、F、G、A、B」という7つの中から、どれか選んでコードをひけば、そのメロディーに合ったコードが見つかるというわけではありません。
ここで、曲のキー、そしてスケールというものを知る必要があるのですが、例えば、もしあなたが作ったメロディーが、「キーがCであるメジャースケールにあてはまるメロディー」である場合、その曲には、「C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(♭5)」の7つのコードを使えばとりあえずはそのメロディーに合ったコードが見つかります。そして、この7つのコードは、ダイアトニックコードと呼ばれます。
はああああ?って思う方もいるかも知れませんね。ギターをこれから始める方、または始めたばかりの方からすると、意味が分からないと思います。でも、曲のキー、スケールが分かると、そういうことか、ということが何となくわかります。今は、ダイアトニックコードとは、「あるキーのメロディーに合うコード」というふうに覚えておきましょう。(スケールについては後程説明します。)
また、キーがCである場合は、ダイアトニックコードは先ほど説明した「C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(♭5)」の7つであるわけですが、キーがDの場合は、ダイアトニックコードは「D、Em、F♯m、G、A、Bm、C♯m(♭5)」となります。このように、当たり前ですが、キーが変わるとダイアトニックコードもまた変わります。
コード進行はどうやって考えるのか?

もし、もうすでにAメロ、Bメロ、サビまでのメロディーができていて、あとはここにコードをつけるだけやねんという状態である場合、もう、それにつけるべきコード進行はほぼ決まっていると言っても過言ではありません。
まず、先に説明してしまいますが、あるメロディーのキーは、大体の場合、そのメロディーの一番はじめの音、または最後の音になります。一番はじめの音というとちょっと誤解があるかもしれませんので、最後の音の方が分かりやすいかもしれません。
例えば、スピッツの楽曲の中で「空も飛べるはず」という名曲がありますが、この曲は最後ギターをじゃら~んと鳴らして終わります。本当に最後の最後です。
このコードが実は「C」のコードなのですが、ここから、この曲はキーがCであるということが分かります。(例外もあります。)
そして、もしそのメロディーのキーがCであるということが分かれば、そのメロディーには、キーがCの場合におけるダイアトニックコードを使えば、違和感なくコードを付けていくことができます。
また、どのようにコード進行を付ければよいのか決まっているといったのは、どのタイミングでルート音が切り替わるのか、というのは大体メロディーを作った時点で決まっているからなんですね。
例えば、同じくスピッツの楽曲の中に、チェリーという曲がありますが、これもまた、キーがCの楽曲です。つまり、「C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(♭5)」のダイアトニックコードを使えば、違和感なくコードを付けていくことができます。
チェリーはこちらの曲です↓
この曲のAメロ部分、「君を忘れない、曲がりくねった道を行く、産まれたての太陽と、夢を渡る黄色い砂」においては、コード進行がC→G→Am→Em→F→C→F→Gとなっており、赤い色を付けた部分でルート音、すなわちコードが切り替わっています。
「(歌いだす前にCをひき始める)君を忘れない(Gに切り替わる)、曲がり(Amに切り替わる)くねった道を行く(Emに切り替わる)、産まれ(Fに切り替わる)たての太陽と(Gに切り替わる)、夢を(Fに切り替わる)渡る黄色いすな(Gに切り替わる)」
実際に、メロディーを聴いていただくと分かりやすいと思います。
どこでコードを切り替えるべきか、というのは何となく感覚的にわかると思うのですが、コードを切り替えるべきだなと感じる部分では、そのメロディーの中でルート音が切り替わっているんですね。つまり、上の例では、「君を忘れない」の「い」の部分でコードがCからGに切り替わるわけですが、この「い」の高さが、「G」なんですよね。
この説明が正しいのかどうかはちょっと怪しいですが笑、「曲のキー」が分かり、「ダイアトニックコード」を調べれば、あとはメロディーの中のここで切り替えるべきだなという部分の音に合わせて、その音がルート音となっているコードを弾いてあげれば、そのメロディーに合ったコードをとりあえずはつけていくことができます。
本当は、コード進行はもっともっと奥が深いものなので、ここでそのすべてを説明するというのはちょっと難しいです。実際は、ダイアトニックコード以外のコードを使うことも普通にありますので。また、コード進行から曲を作るという場合には、今の説明は全く役に立ちません。ただ、出来上がったメロディーにコードを付けるというやり方では、今説明したようなものを参考にしてください。
また、コード進行から曲を考えるとなった場合には、そもそも、コードはどのように動かしていけば良いのかということを学ぶ必要があります。おそらく、頭の中でメロディーから曲を作るとなった場合には、それを無意識的に当てはめてメロディーを作っているということになっているはずです。なので、そのメロディーに先ほど説明したやり方でコードを付けていけば、何となくそういった理論通りのコード進行になっているのではないかと思います。
言っている意味が分からないかもしれませんが、例えば「キーがC」である曲の場合、サビに入る直前のコードはGになっていて、サビの最初のコードはCになっているという場合が多いはずです。もしあなたの作ったメロディーがキーがCだなとなった場合には、ちょっとチェックしてみてください。
こういった理論について更によく知りたいという方は、「ドミナントモーション」と検索してみてください。後日、それについて説明した記事も用意したいと思います。
曲のキーとは?スケールっていったい何?

曲のキーについては先ほど何となく説明しましたね。曲のキーとは、メロディーの最初の音、もしくは最後の音(又はそのタイミングで弾いてみて違和感がないコードのルート音)であると説明しました。
曲のキーについてはとりあえずはそんな感じで覚えておいていただければと思うのですが、このキーと合わせて覚えておきたいのが、「スケール」というものの存在です。日本語では、「音階」とも言います。
おいおい難しいじゃんもうやだよってならないでくださいね。もう少しでお~いえ~ってなりますから。何だそんなことか!ってきっとなりますから!笑
音階、スケールとは、簡単にいうと、特定の規則によって集められた、1つの音の集団のことを言います。そして、そのスケール、つまり音の集団の中で、最も私たちにとってなじみ深いものが「ドレミファソラシド」なんです。
「ドレミファソラシド」ってなんだかもう当たり前のように皆さん小さいころからこれを知っているわけですが、この「ドレミファソラシド」はその音の間隔が「全全半全全全半」となっています。そして、この「全全半全全全半」の規則で選ばれた音の集団を、メジャースケールと言います。
そして、「ドレミファソラシド」の場合は、その根本となる音が、「ド」の音、つまり「C」の音なので、これをCメジャースケールと言います。簡単ですね!
そして、これに加えて「D」の音、つまり「レ」の音を基本として「全全半全全全半」という規則で集められた音の集団(レミファ♯ソラシド♯レ)は、Dメジャースケールと呼ばれます。ちょっと、お~いえ~って感じですね。
そして、例えばCメジャースケールの曲、すなわちキーがCの曲におけるダイアトニックコードは、「C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(♭5)」であるという話をしましたが、これらのコードは、どれもがそのCメジャースケールの中の音を使ってつくられているんですね。だからキーがCの曲との相性が良いのです。どうですか?お~いえ~ですよね!!←(うるさい)
「だから」と断言してしまうと怒られそうですが笑、とりあえずはそんな認識で大丈夫でしょう。ちなみに、メジャースケールがあれば、今度はマイナースケールというものも存在しています。また、マイナースケールには、その中でまた主に3つのスケールが存在しています…
ただ、ここからの説明はちょっとややこしくなるので省略いたします。基本的には、おそらく皆さんが作る曲の大半は、メジャースケールにおさまるのではないかと思います。しかし、悲しい雰囲気の曲ばかり聞いているという方は、もしかしたらマイナースケールの曲を作ってしまうことがあるかもしれません。メジャースケールの曲かマイナースケールの曲か見分ける簡単な方法は、曲調が明るいか、暗いかの違いで判断しやすいとも言われているんですよね。
でも、たぶんほとんどの曲がメジャースケールにおさまるはずです笑ちなみに、そのメジャースケール、及びマイナースケールのそれぞれの特徴については以下の記事で詳しくまとめていますので、気になる方は是非一度ご覧になってみてください。
より良い曲を作るためには最低限の作曲理論は必要です!

今回の記事では、とりあえず作曲をしてみたいけど、そのための作曲理論について本当に基本的なところだけ知りたいという方のために、最低限必要と思われる部分について詳しくまとめました。
作曲になれてきたら、ダイアトニックコード以外にも、こんなコードを使ってみると良いんじゃないかな、といろいろなコードを試してみると、さらに作曲が楽しくなってくるのではないかと思います。コードにはどのようなものがあるのか、ということは以下の記事でまとめていますので、気になる方は是非ご覧になってみてください。
→※コードっていったい何?作曲理論におけるコードの重要性とは…
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