
自分で作曲をしたいとなったとき、初めはそのやり方が良くわからないという方が多いでしょう。
特に、ギターなどをまだ始めたばかりであるという方は、作曲をするといっても、いったいどこから始めたら良いのかおそらくわかりませんよね。作曲理論を覚えなければ、作曲はできないんじゃないかと思う方もいるかも知れません。
ただ、実際は作曲理論を知らなくても作曲はできます。なんだか頭に良いメロディーが浮かんだぞ!ってなったら、それは立派な作曲なんです。なので、作曲自体は作曲理論を知らなくてもできるわけですが、そのメロディーをより良いものにしたり、アレンジするためには、ここで始めて作曲理論が必要になってくるわけですね。
そして、その曲をより良くするために必要なものの1つが、「コード」という存在です。このコードは本当に重要なもので、そのメロディーにどんなコードを付けるのかによって、曲の雰囲気はガラッと変わります。ちなみにコードとは、いくつかの音を組み合わせてできる和音のことを言います。
まだ、CとかDmとか、基本的なコードしかひいたことが無いという方は、是非色々なコードを弾いてみてください。同じ「C」のコードであっても、そこに足される音の違いなどによって、色々な種類のコードが存在しています。
Csus4とかCadd9とかがそうですね。単純な「C」というコードは「ド、ミ、ソ」という3つの音から成り立っていますが、Csus4は、「ド、ファ、ソ」という3つの音から成り立っていて、Cadd9は「ド、ミ、ソ、レ」という4つの音から成り立っているコードになります。そもそもコードを知らない方からするとは~~~ん?って話ですね。
まず、どんなコードもいくつかの音を組み合わせてできているわけですが、そのコードにはそれぞれ根幹となる音、すなわちルート音というものが存在します。C、Csus4、Cadd9の場合は、それが「ド」ということなんですね。知らない方はおそらくいないと思いますが、「ド」は英語で書くと「C」と表記されるのです。(「ドレミファソラシド」はイタリア語、これを英語で書くと「CDEFGABC」となり、日本語で書くと「ハニホヘトイロハ」になります。ハ長調とか、ト音記号の「ハ」と「ト」はこのハニホヘトイロで表記されています。)
そして、Csus4、及びCadd9についている「4」、「9」などの数字は、音の「度数」を表しています。
意味わからん!ってならないでくださいね笑音の開きには、半音、全音があるということは皆さんご存知だと思いますが、この音の開き、距離は度数というものでも表されるのです。
ちなみに、単純な「C」のコードは、「ド、ミ、ソ」という3つの音で成り立っているという話をしましたが、これは言い換えると「完全1度、長3度、完全5度」で成り立っているともいえます。そういう理論的な話は聞きたくね~という方もいると思いますが、実際はこんなこと覚えなくても曲のメロディーに合ったコードを当てはめることはできます。でも、作曲理論の1つの知識として何となく度数を覚えておくと、そのコードがどんなものなのかよくわかって、より作曲が楽しくなるのではないかと思います(^^)
長々と説明しましたが、ここからの内容はいたって簡単です。是非、参考にしてください。
作曲ってどうやったら良いの?作曲理論におけるコードの重要性とは?

まず、作曲をしてみたいけれどどこから手を付けたら良いのかわからない。難しい作曲理論はとりあえず後で覚えるから、本当に基本的なところだけ知りたい、という方もこの記事をご覧になってくださっている方の中にはいるかもしれません。私も最初はそうでしたし、今も作曲理論をすべて知っているというわけではもちろんありません。
作曲の仕方としては、大きく分けると2つのやり方があるのではないかと思います。その2つとは、コードなどは考えず、とりあえず頭の中でメロディーを作ってしまうやり方と、それとは対照的に、まずはコード進行を考え、そのコード進行に合ったメロディーをつけていく方法です。
しかし、まだギターなどを始めたばかりであるという方は、とりあえずはコードなどは考えないで、自分の好きなメロディーを考えるやり方で曲を作ってみましょう。というより、初心者ではなくても、このメロディーから考える方法は作曲の仕方としては常套手段です。私も基本はメロディーの方から曲を作ります。
あ、なんだか今のメロディー良いぞ!っていうのが思い浮かんだら、それを録音しておいて、それにつながるメロディーを後から付け足していきます。例えば、サビになりそうなメロディーが思いついたら、それにつながるAメロ、Bメロ、そしてイントロなどを後から足していくという感じですね。もちろん、ここにコード進行から考える方法を合わせても構いません。例えば、サビが思いついたらそれにコードを付けてしまって、そこに使ったコードを使い、その進行などを変えて他の部分を考えていくというやり方ですね。
でも、もちろんそんなことをしなくても、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビはたとえ楽器が弾けなくても考えることはできます。では、これは一体どうしてなのか。作曲理論を知らないのに曲ができちゃうなんてなんだか変な話ですよね。
しかし、実際はどんな方でも、言葉にできないだけで作曲理論は頭の中に何となくしみついているんですね。どんな方にでも好きな曲っておそらくあると思うのですが、そういった曲はもちろん、何らかの作曲理論にあてはまる形で作られています。なので、どんなメロディーの流れにすると曲が盛り上がるのか、または落ち着くのか、というのは何となく皆さん分かっているわけです。
なので、きっとこの先作曲理論などをちょっとかじってみると、初めて知った~!という部分もたくさんあると思いますが、なるほどそういうことだったのか!という発見もいっぱいあると思います。
きっと音楽が好きな方は今までに沢山の曲を聴いてきていると思うのですが、その曲の数だけ、実は作曲の仕方というものも何となく覚えてきているわけです(^^)なので、実は誰もが作曲ができるのです。
さて、では自分でサビまで曲を作ることができたら、今度はその曲に雰囲気を持たせたり、コード進行を考え、そこからメロディーをアレンジしたりする作業が必要になってきます。もうこのメロディーは絶対に変えたくない!という場合なら、そこにコード進行をたしていくだけですね。でも、そこにどんなコードを付けるのか、というのは非常に重要なポイントです。
2つの音だけで成り立つようなコードをパワーコードって言いますが、これはちょっと激しくて盛り上がりたい曲を作るときなんかには非常に使いやすいコードになっています。かの有名な「小さな恋の歌」は、パワーコードさえ覚えれば弾けちゃう入門的な曲としても有名なんじゃないかなと思いますが、そんな簡単なコードを使っているにも関わらず、すごく良い曲ですよね。逆に、この曲にトライアド(3つの音の和音)以上の和音を当てはめると、力強い印象が若干薄れてしまうのではないかと思います。しかし、それはそれで良いものになるかもしれません。
しかし、例えばそのパワーコードだけでは、曲にちょっと悲しい雰囲気を持たせたりすることは少し難しいんですね。また、3和音で構成されるダイアトニックコードを使っても、なんだか自分が思うような雰囲気にはできないことがあります。もちろんそういったコードを使えばとりあえずは曲にコードを付けることができるわけですが、なんだかちがうんだよな~ということになるわけです。
しかし、どんなメロディーでも、あるタイミングで切り替えるべきルート音が絶対にあります。例えば、「キー」がCであるメロディーを奏でているときに、ずっと「C」のコードをひいていたら、ある部分ではメロディーに合っているようなきがするはずですが、ある部分では全くメロディーとあっていないような気がするはずです。
ちなみにキーがCである曲の場合には、その曲に使っても違和感がないよ~という超基本的なコードとして、「C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(♭5)」が挙げられます。そして、このようなコードを、「ダイアトニックコード」と言います。もちろん、これ以外のコードを使っても構いませんが、今挙げたようなコードを使えば、とりあえずは一曲通してコードを付けられるはずです。
ちなみに、曲のキーってどんなものなの?ダイアトニックコードっていったいなに?という方は、それぞれ以下の記事をご覧になってみてください。
→作曲理論におけるキーのお話!全然意味わからんていう人集まれ~
→※超簡単な作曲理論の話!ダイアトニックコードってこんなやつです!
なので、まずはそのメロディーに合った「ルート音の進行」を決定していく、という作業を行うのが一番やりやすい方法なのではないかと思います。そしてここで、そのルート音とはいったいなんなのか、度数とはなんなのか、という話が出てくるわけです。
ルート音っていったい何?メロディーが完成したら、それに合ったルート音を見つけてみよう!

この項目を読んでみて、ルート音がどんなものなのかということが何となくわかれば、次の項目である度数の説明は読み飛ばしてしまっても構いません。今は、コード一覧表という便利なものもありますから、そのタイミングで切り替えるべきルート音が分かれば、あとはそのコード一覧表からどれか選んで弾いてみれば自分が望んでたものが見つかる可能性が高いです。
ただ、見つからない可能性ももちろんあります。そのときは、実際にルート音を固定した状態で、自分の指を使って色々なコードを弾いてみるようにしましょう。いずれ、お~いえ~これだぜ!っていうのが見つかるはずです。
では、そのルート音とはいったいなんなのか、かの有名なアーティスト、スピッツの名曲中の名曲、チェリーを例として説明してみましょう(^^)
ちなみに皆さんチェリーはしっていますよね?笑チェリーはこの曲です↓
この曲はキーがCの曲なのですが、この曲のAメロ部分「君を忘れない、曲がりくねった道を行く、産まれたての太陽と、夢を渡る黄色い砂」に、3和音のダイアトニックコードを当てはめる場合、そのコード進行は、C→G→Am→Em→F→C→F→Gとなります。実際にこれを弾いてみるとこんな感じです↓
コード進行だけだと以下のようになります。
はい、非常にきれいなコード進行になっているわけですが、これは、ルート音の進行だけで考えてみると、C→G→A→E→F→C→F→Gとなるんですね。ちょっと意味が分からないかもしれませんが、各コード、つまり、3つの音でできた和音の場合は、簡単に言うとその中で一番低音なもの、一番響くようなものを、ルート音というのです。(本当は違いますが、簡単にいうとそんな感じです。)
ちなみに、上のコード進行を、ルート音だけにすると以下のようになります。
もし自分がメロディーを考えた場合、そのメロディーの中で、あるタイミングからあるタイミングまでの間に、そのメロディーにマッチしたルート音を見つけること、それが作曲をしていく上では非常に大切になってきます。
つまり、もし皆さんが何かのメロディーを考えた場合、コード進行の理論とかを何も知らなくても、知らない間に頭の中では自然とコード進行を決めているということなんですね。そして、実際にその進行におけるルート音の流れ、それが分かれば、ルート音を固定して、あとはコードを自由につけることができるんです。
でも、もちろんルート音を固定して、なにかのコードをひいてみても、なんだかそのメロディーとは合わないな~という時はもちろんあります。例えば、あるタイミングからあるタイミングまではルート音がCのコードを弾いた方が良いなとなった場合、通常のCコード、C7、Csus4とかを色々試してみても、ちょっと違うなということはもちろんあるわけです。
又は、例えばCsus4を使ってみると、次のタイミングでルート音が切り替わる場合に、次のルート音が決まっていても、Csus4とは相性が良いものとかよくないものとかも何となくあったりするわけです。
このあたりが、ちょっと難しいところでもあり、楽しいところでもあります。ダイアトニックコードだけを使って満足できるのであればもちろんそれで良いわけですが、これじゃねんだよな~ってなる場合は、色々なコードを弾いてみるしかありません。
また、ルート音を見つけていくと言っても、これは全くの無の状態から見つけるというよりは、その曲のキーが分かれば、その流れもだいたい予測がつくようになります。例えば、キーがCの場合は、サビの手前の部分のルート音はGになりやすいとかですね。そして、サビの最初のルート音は大体Cになります。このような動きを、ドミナントモーションというのですが、これについてはまた後で説明いたしますね。とりあえずは知らなくても大丈夫です。
度数っていったい何?コードがどうやってできているのか知りたい方はこちらをご覧ください!

さて、ではここからようやく、度数の話に入っていきましょう。この度数が分かれば、Csus4とか、Cadd9とかについている数字の意味が分かるわけです。
度数には、同じ3度でも、短3度、長3度などがあって、ややこしや~って感じなんですが、これはドレミファソラシドが「全全半全全全半」という間隔で定められている以上、仕方がないことなんですね。では、度数っていったいどんなものなのか、わかりやすく説明していきたいと思います。
まず、どんな曲にもその基本となる高さ、キーというものが存在しています。例えば、キーがCである場合、そのCは「完全1度」と定められ、そこから各音への距離は、次のような名称でよばれます。

同じ音でも、短2度とか、増1度とかいうふうに別の名前で呼ばれることがあるというのがちょっとややこしいですよね。でも、この度数表さえ見れば、Csus4とか、Cadd9とかの数字の意味が分かります。
まず、単純なCのコードは、「ド、ミ、ソ」という3つの音で成り立っているというお話をしました、つまり、「完全1度、長3度、完全5度」で成り立つということですね。
一方、Csus4は「ド、ファ、ソ」という3つの音で成り立っています。つまり、「完全1度、完全4度、完全5度」で成り立っているということですね。真ん中の音が単純なCコードとは異なります。
このコードは、ルート音がCであることには変わりないのですが、問題はsus4ですよね。このsus4とは、「Suspended Fourth Chord」の略なんだそうで、3度の音の代わりに、4度の音を使いますよ、ということを意味しています。度数表を見てみると、それがどういうことであるのかということは一目瞭然ですね。一般的に「sus」と表記されていたら、「4」という数字が書いていなくても、それは「sus4」を意味しているそうです。
次に、Cadd9ですが、これは「ド、ミ、ソ、レ」という音で成り立っているコードのことを言います。このadd9て言うのは9度の音をたしますよという意味であり、これもまた上の度数表を見てみればよくわかりますよね。
このように、コードに何らかの数字が書いてある場合、それは度数を意味しています。ルート音をそのままに、あるコードの構成音のどこかの音を別の度数の音に変えたり、あるいはそこにどこかの度数の音をたすことによって、コードの雰囲気はちょっと変えることができるんですね。
では最後に、そのC、Csus4、Cadd9の音をそれぞれ聴いてみましょう。(C→Csus4→Cadd9の順に流れます。)
どうですか?同じ「C」のコードでも、ちょっと雰囲気が違いますよね?こういう様々なコードを使い分けることが、作曲の楽しいところでもあります(^^)
まとめ

今回の記事では、コードとはいったいどのようなものなのか、作曲理論におけるコードの重要性について詳しくまとめました。
ボーカルのメロディーが同じであっても、そこにどんなコードを合わせるのかによって、曲の雰囲気はまったく違うものになります。これからギターなどを使って作曲をしたいという方は、是非色々なコードを弾いてみて、これだ~というコードが発見できるように頑張ってみてください(^^)
また、もう記事をご覧になってくださった方もいるかも知れませんが、スケールというものや、そのメロディーのキーの見分け方が分かると、作曲、編曲はぐんと楽になります。もしまだ知らないよという方は、是非以下の記事をご覧になってみてください。
→作曲理論におけるキーのお話!全然意味わからんていう人集まれ~
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