
作曲の仕方にはいくつかの方法がありますが、その中でも、鼻歌から作ったメロディに、後からコードをつけていく方法は非常に多くの方が選択する方法だと思います。
先にまっさらな状態でメロディを考えていくので、その人の個性がより表れやすいのも、この後からコードをつけたしていく方法なのではないかと思います。後は、先にコード進行を決めてしまったり、セッションから曲を作る方法などもありますが、初心者の方は、特にそのメロディから作る方法の方がやりやすいと思います。
ただ、メロディを考えた後に、コードをつける作業でちょっとつまずくという方もいると思います。そのメロディの「キー」や「スケール」が決まっている際に、それに違和感なくつけていくことができる基本となるコードを「ダイアトニックコード」と言いますが、そのダイアトニックコードだけではどうしても自分が望んでいるようなものにならないことはしばしばですし、実際はほとんどそれだけでは何か物足りないと感じるのではないかと思います。
実際にコードをつけてみると分かると思いますが、そのコードをどうするかによって、曲の雰囲気はガラッと変わることもあります。ということで今回の記事では、コードをつける際の作曲のコツについてまとめていきたいと思います。
曲のキーとスケールは理解していますか?コードをつけるうえで重要な作曲理論がこちら!

まず、この記事をご覧になってくださっている方の中には、これから初めて作曲に挑戦するという方もいるかもしれないので書いておきますが、作曲をしていく上では、「キー」や「スケール」といった理論について知っておくことがとても重要になってきます。
ここでいう「キー」とはカラオケでよくキーをあげるとかさげるとかいう時のキーと同じものです。どんな曲にもキーがあるということはご存知の方も多いと思いますが、作曲をする上では、そのキーの存在を理解していないと、そもそもコードをつけていくことは難しいでしょう。
そして、そのキーと一緒に覚えておかなければならないのが、スケールというものの存在です。このスケールとは、簡単に言うとある規則によって選ばれた音の集団のことであり、私たちにとって最もなじみ深いものが、一般的にメジャースケールと呼ばれているものになります。(日本語でいうところの長調がこのメジャースケールと同じものになります)
そして、メジャースケールにおいては、その規則というのが、「全全半全全全半」という音の間隔なんです。つまり、その「全全半全全全半」という間隔で集められた音の集団のことを、メジャースケールといいます。
そして、そのようなメジャースケールの中で、「ド」の音、つまり「C」の音を基準としたメジャースケールが、私たちにとって最もなじみ深いともいえる、「ドレミファソラシド」という集団になります。

また、メジャースケールにはもちろん、Cメジャースケール以外にも、Dメジャースケールや、G♯メジャースケールなど様々なメジャースケールが存在しています。ちなみに、Dメジャースケールだと、その音の集団は以下のようになります。

そして、このスケールを知ることの何がいったい重要なのかというと、実はどんな曲でも、その曲はどこかのスケールにあてはまるものとなっており、その曲のメロディは、そのスケールの中の音だけで構成されているのが基本となります。逆に、例えばCメジャースケールの曲の中で、そのスケールにない「ド♯」などの音を使ってしまうと、それはメロディに違和感を生む原因になってしまうんです。
また、もしある曲がCメジャースケールにあてはまるものであるならば、その曲のキーはCということができます。そして、そもそもキーとは何なのかというと、簡単にいうと、歌いだしの初めの音(もしくはコードのルート音)と、最後の音(もしくはコードのルート音)がそのキーになっていることが多く、その曲の中で基本となる高さを、一般的にキーと呼んでいます。
つまり、曲というのはキーの高さから始まって、スケール内にある音の階段を上ったり下りたりして、最終的にキーの高さに戻ってくるようになっているんです。中には例外もあったりしますが、それが曲作りの基本であり、例えば鼻歌から作ったメロディであっても、そのような流れになっているはずです。
そして、なんでキーとスケールを理解する必要があるのかというと、そのキーとスケールの違いによって、違和感がなく使えるコードの種類が変わってくるためです。また、どんなメロディも、そのキーというものは変えることができます。例えば、最初にCメジャースケールの高さでメロディを完成させたとしても、そのメロディを全部一音分持ち上げてあげると、それはDメジャースケールの曲にすることができるんです。これこそが、キーをあげるということなんですね。
そして、もし自分でメロディを作ることができたら、そのメロディがその時にどのスケールなのかをチェックしてみて、実際に歌ってみた時に、その高さが自分の声の高さに合っているのかどうか確認をすることをお勧めいたします。例えば、そのメロディを作ってみた時に、始めはGメジャースケールでその曲を作ったとしても、実際に歌ってみてちょっと高くて歌いづらいかもとなった場合には、1音分下げてFメジャースケールにするとかですね。
そうやって最終的にキーを調整してから、コードをつけていくというのが一番効率よく作曲ができるのではないかなと思います。ちなみに、詳しく説明すると長くなってしまうので本当に基本的なことだけここではお話したのですが、その「キー」と「スケール」については以下の記事で詳しくまとめていますので、気になる方は是非一度ご覧になってみてください。
→作曲理論におけるキーのお話!全然意味わからんていう人集まれ~
コードをつけるときの作曲のコツとは?

ここまで、キーとスケールについて簡単に説明してきましたが、まず、超基本的な作曲のコツとしては、出来上がったメロディに、「ダイアトニックコード」と呼ばれるコードを使ってコードをつけていけば、そのメロディにとりあえずはコードをつけることができます。
このダイアトニックコードとは、簡単に言うと各スケール内の音だけを使って構成された基本的な和音のことであり、それゆえにスケールさえ分かっていれば違和感なくコードをつけていくことができます。ちなみに、もちろんスケール、及び曲のキーが変われば、そのメロディに合うダイアトニックコードは変わってきます。
例えば、Cメジャースケールにおいては、そのダイアトニックコードは「C、Dm、Em、F、G、Am、Bm(♭5)」の7つとなっています。また、この7つのコードはそれぞれどんな役割のあるコードなのか、というのは、以下の記事で詳しく解説していますので、これは知らない方は是非読んでおくことをお勧めいたします。
さて、ではここからが実際にコードをつけるときの作曲のコツの様な話になるのですが、実際に曲にコードをつけていくときには、トライアド(3和音)のダイアトニックコードだけでは、その曲に独特な雰囲気をつけたりすることはちょっと難しいです。もちろん、ほとんどダイアトニックコードだけでコードづけされているようなものもありますが、ちょっとおしゃれな雰囲気を出したり、切ないような感じを出したいときには、ダイアトニックコードだけでは難しいことがあるんですね。
では、実際にどうやってそのコードを選んだら良いのかというと、私がお勧めするコツとしては、実際に自分が演出したい雰囲気に似たような曲をいくつかリストアップして、そういった曲の中で使われているコードを使ってみると、結構うまくいくことが多いです。
おそらく、皆さんが作る曲というのは、少なからずその皆さんが好きなアーティストさんに影響されている部分があると思うので、そのアーティストさんがどんなコードを使っているのかを参考にすると、とても勉強になります。是非、コードをつける段階でちょっとつまずいてしまっているという方は、そういった方法を参考にしてみてください。
まとめ

今回の記事では、自分で作ったメロディにコードをつける際に最低限知っておきたい理論に関する情報や、コードをつける際に使える作曲のコツについて詳しくまとめました。
ただ、作曲のコツと言っても、絶対に名曲を作れるような簡単な方法はありません。いろんなジャンルの曲に触れて、選択肢の幅を広げることが、曲作りをする上では非常に重要になってくるのかなと思います。
ただ、プロとして活動するアーティストさんが、どんなコード進行を好むのか気にしながら譜面を見てみると、色々と勉強になることも多いので、これからコピー曲をやるときも、是非そういう部分に注目しながら取り組んでみると良いんじゃないかなと思います。
それでは今回の記事は以上になります。最期まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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